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PHILOSOPHY

企業理念

浜口微生物研究所(ハマビケン)は100年続く農業と暮らしに向けて、
減農薬栽培、有機栽培、自然栽培、環境に優しい生活へのステップをお手伝い致します。

日本の農業あるいは慣行栽培の限界

令和3年、農林水産省はみどりの食料システム戦略を立ち上げ、ようやく有機栽培の面積25%増加を決定しました。日本中が植物と地球に優しい栽培(*2)・農業(*3)に取り組む方針がやっと立った事を嬉しく存じます。世界では2015年にSDGs(*1)が掲げられ、欧米は今や耕作地のほとんどが有機栽培となり、フランスは公園や都市部での農薬禁止にまで至っていますから。
 その一方で、慣行栽培は限界を迎え、日本の農業は崩壊の危機に瀕しています。農薬の効かない新たな病害虫、農作物の買取価格暴落、コロナ禍と戦争による物資の流通停滞と価格高騰に、新規就農者の35%が離農し(総務省, 2019年)、転業・廃業の増加は止まっていません。
 さて、日本の農業が限界を迎えているこの状況は、今に始まった事でしょうか?
それは「戦後しばらくしてから、その後ずっと」ではありませんか。そして、その原因は単に植物との関わり方――栽培方法を間違っていたから、ではないでしょうか?

お手本はすぐそこに

 山を御覧ください。
 人間が山に、肥料や農薬を与えた事はあったでしょうか?
ほとんど与えていませんよね。
少なくとも畑ほどは肥料も農薬もない、山。そこでは木々が、下草が、人の手なしに青々と茂っております。何故でしょうか?
 そこでは化学合成物質のない、数多の微生物と動植物の暮らす世界が広がっており、物質の還元・発酵(吸引サイクル(*7))がなされているからです。
 この生態・物質循環を畑に持ってくる事が出来れば、農家は今ほどの資金と手間をかけて栽培する必要はありません。化学肥料や農薬の使用による生物多様性や環境破壊に加担したり、死に瀕する程の健康被害を被ったりする必要も、もうありません。山が草木を育てる様に、今度は畑が草木を育ててくれるでしょう。

 
いま、日本の有機栽培に必要なものとは

しかし、慣行栽培が行われた土地を有機栽培(*5)・自然栽培(*6)ができる状態へ持っていくことは、難しく時間のかかることです。それは「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんが、あの成功へ至るまでに10年以上かかった事からも察する事ができます。有機栽培も自然栽培も、畑の中で生態・物質サイクルが循環して出来る事であり、慣行栽培(*4)が壊してしまった土壌・樹木・作物・下草・微生物達の織り成す複雑な相互関係を修復しなければ出来ません。
 だから、段階を踏む必要があります。
畑に与える確かな品質の有機肥料・確かな微生物が、いま必要なのです。

用語 解説
*1 SDGs  2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にある国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている(外務省より)。農業には目標2「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する」が課せられている。
*2 栽培  植物の繁殖と生育とを保護、管理すること(日本大百科全書(ニッポニカ)より)。
*3 農業  有用な植物・動物の栽培・飼養を通じて営まれる生産活動で,第1次産業の中心をなす(百科事典マイペディアより)。つまり、農業は栽培に含まれている。
*4 慣行栽培  農協などが提示するマニュアルの通りに化学肥料・農薬を用いる栽培方法。日本の農業で最も多く行われている。病害虫と農薬製造のいたちごっこ、リン鉱石の枯渇および物資の価格高騰、藻とコバエの発生、廃液処理などの問題を抱えている。また、化学肥料・化学合成農薬は健康被害や生物多様性や環境破壊にも関与しており、原料枯渇・輸入困難な今、尚もこの栽培方法に固執することはSDGsの目標2に反する。
*5 有機栽培  自然や生物に近い農薬と肥料だけで栽培する方法。環境や健康に優しいと言われる一方で、原材料の品種・品質・出所・特性の不明瞭な有機肥料あるいは微生物資材が市場へ出回っており、農家や研究者を困らせている。「畑に与える確かな品質の天然肥料・確かな微生物が、いま必要」だと言ったのは、そういう実態があるからである。※有機農業は「有機農業の推進に関する法律」(平成18年法律第112号)第二条より「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と定められている。
*6 自然栽培  農薬や肥料を使わず、畑の中のものだけで作物を育てる栽培方法。自然が多様性から成り立っている様に、自然栽培に対する考え方は提唱する人によって違う。例えば、岡田茂吉や福岡正信が提唱した自然農法、川口由一が提唱した自然農がある。
*7 吸引サイクル  一般財団法人テネモス国際環境研究会および株式会社テネモスネット創始者 飯島秀行が提唱した考え方。この「吸引/放出サイクル」という考え方は全てに応用できるが、常識と真反対であるため、その理解には熟読と試行錯誤を要する。彼の著書3冊を読んだHP作成担当が申したのだから間違いない。彼自身は既に亡くなっており、インターネット上には此処に講演の様子が遺っている。
さいごに  此処まで読んでくれて、ありがとうございます。激動の時代ですが、これから広がる最新テクノロジーと温故知新に対応すれば問題ありません。共に生き延びましょう。